« 2010年4月 | トップページ | 2010年12月 »

2010年11月19日 (金)

究極のふしぎ箱

Photo Photo_2 Burogu

今回のふしぎ箱、齋藤風子さんの作品は、子どもでも出来るふしぎ箱の究極の姿といってよいでしょう。
風子さん自らが書いてくださったキャプションには、次のように記されています。

「愛染明王ー陽光」は光輝と炎に雲、蓮の花びらが舞う姿を写し、愛が浄化されることを
願います。
「地蔵菩薩ー月光」は子供を救済する地蔵菩薩と高貴な月下美人の花が月の光に照らされ、
子供達の幸せを想っています。
外装は手漉き和紙を使用し、人の縁と縁が繋がる様子をグラデーションの円で染めてみました。

実は今回の「縁」というテーマは、風子さんのご提案でもありました。
「縁、円、宴」というイベントをされたそうです(風子さん、ちょっと違っているかも。間違ってたらごめんなさい)。
その中から「縁」だけをチョイスさせていただきました。

しかし、この技巧には驚嘆します。
ふしぎ箱は鏡(ポリカーボネートミラー)の裏面を削り取って透明にし、そこに色を乗せて画像を作っていくのですが、きちんとした形に削るのは簡単ではありません。
子どもたちには透明のカラーシートを使わせますが、風子さんはグラスデコとカラーインクで絵付しているそうです。
絵柄は実に複雑で繊細です。
普通に描くのだって大変そうなのに、鏡を削って色付けする。
2個完成したときはへとへとだったといっていますが、そうでしょう。
ご本職は染色作家なので出来る作業、染色作品も実に細やかな友禅を染められます。
このような匠の技の作品があり、一方で6歳の子どもでも出来て、素敵な作品が出来上がる。
一見見た目は単なる箱、でもその中にそれぞれの世界が広がっている、まさにその名の通り「ふしぎな箱」なんです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月18日 (木)

「縁」の作品 その3

Photo Photo_2 Photo_3

「縁」をテーマにした作品は他に中里保子さんの「お結びねこ」、そして井野文絵さんのその名もズバリ「縁」がありました。
「お結びねこ」は、陶芸家辻優子さんとのコラボで、この外観が秀逸です。
贈り物の箱というイメージでしょうか。
それにリボンをかけた?
そんな感じのボディです。
万華鏡にするのに、よくこういう形を思いつくよな~(笑)という感じで、その中に中里さんが映像を嵌め込むのに頭を使われた様子が窺えます。
大中小とあって、大きさによって映像の流れが変わるので、どれを選ぶかも悩ましいところです。
漆の板に乗せているので置物としても面白い。
「和」のイメージでありながら、ちょっとユーモラスな、お正月に欲しいような作品でした。
ところで「お結びねこ」ってどういう意味?
「縁を結ぶ」という意味を込めてくださったのでしょうか。

そして井野さんの「縁」は、羹桜窯さんとのコラボだそうです。
井野さんはいつもは磁器に絵付をされていて、やさしい繊細な作風でしたので、今回の力強い作品は驚きです。
井野さんの映像は、まさに「和」の色遣いで、ちょっと渋めの落ち着いた色の世界を好む方も少なくないのですが、この外観ですからそれがぐっと際だっています。
今まではやはり女性のファンが多かったと思いますが、これは男性も好まれるのでは。
「縁」ではないですが、蒔絵の作品もますます磨きがかかっています。
チャイナペインティングから入られただけに、絵付は確かですね。

ただ、万華鏡全体の問題でもあるのですが、アイホールからミラーの縁が見えてしまうということをもう少し考えていただけたらと思います。
作家さんたちいろいろ工夫されていますが、難しいところですね。
ツーミラーが覗いたときに真円に見えないという問題もそうです。
もっとも昔は、ミラーの緑色がハレーションを起こしてたりあって、今は皆さん黒く塗ったりなどされているから、少しずつ進歩ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月16日 (火)

心温まる話

P1040282 005

縁のテーマで出色だったのは、百々花さんの「花嫁-Happiness」と「赤い糸」。
「赤い糸」はまずその発想がgoodですね。
百々花さんがよくお作りになっている糸巻に糸を巻いただけなのだけど、華やかで惹きつけられます。
映像ももちろん外観に合って、赤を基調に煌めきます。
「花嫁」の方は、吹きガラスで作ったボディに、これも最近のヒット作である球体のオブジェクト。
ウエディングドレスをイメージさせる透明の白に、白い結び紐を飾って、おまけに台はハート形です。
この作品はとても人気で、欲しいとおっしゃる方も多かったのですが、お買いになった方はアラフォーの女性でした。
その方は、5年前にがんを患って、非常に気持が落ち込んでいたそうです。
外出もできないような時があって、このまま死んでもいいなんて思ったりもしたそうです。
最近やっと元気を取り戻してきて、出かけることもいやじゃなくなったとか。
そしてこの秋に、がん転移の危険を脱するといわれる5年を迎えて、そしてこの万華鏡「花嫁-Happiness」に出会われたのでした。
「これを見た時、”おめでとう”といってくれたような気がしました」
とその方はおっしゃいました。
そして「こんな素晴らしいものを売っていただけるんでしょうか」とも・・・。
皆さんにも見せてあげたいからと、お買いあげになってもすぐには持って帰らず、置いてくださいました。
きっと彼女は、この万華鏡の素晴らしさを周りの人にも伝え、Happinessを振りまいてくれると思います。
こういう出会いがあると、ホントに嬉しいですね。
まさしく「ご縁」を感じた出来事でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年11月14日 (日)

縁のコーナー

P1040240 P1040306

今回は「縁」をテーマにしてみたところ、それに応えて面白い作品を出してくださいました。
「縁」にしたのは、いつも言っている「和の万華鏡は万華鏡の輪」にちなんでいます。
そのPRコピーとして、次のようなことを言っています。
「万華鏡はコミュニケーションツールです。
万華鏡を通して、男性も女性も、年代を越え、国境を越えて、人々の親交の輪が広がっていきます。
ここで出会ったのもなにかの縁。
『縁』をテーマに万華鏡を作ってもらいました」

まず大作で加藤瑞枝さんの「架け橋」。
加藤さんが
「人は同じ感動を共有すると、そこに何らかの‘えにし’を感じます。
この万華鏡をご覧になった方が、少しでも感動を覚えてくださいますように。
この万華鏡が、見てくださる方と作り手とのあいだの架け橋になりますように。
デザインは橋を模し、色はえにしの象徴とも言える赤、オブジェクトは架け橋となるべく『はしご』にしました」
と書いてくださったように、これを見た方は皆さん一様に驚かれました。
「はしご」を模した2枚のプレートを動かして見るのですが、最初どう見ていいかとまどっている方が、動かすことを教えてあげると、ぱっと顔を輝かせて、「あ、なるほど~!きれいですね~」と見入ってくださいます。
万華鏡の展覧会って、いつも思うのですが、絵や彫刻、まあ、なんでもいいですが、普通の展覧会と比べて何倍も疲れます。
それは、万華鏡に初めて接する方が多くて、せっかく来ていただいたのに、そのまま帰してしまうのは惜しいと思い、つい声をかけてしまう。「こうして見るのですよ」と。
お客様が多いとかなり大変です。
でも、その結果、パッと笑顔になられてとても喜んでくださる。
それが楽しくて、つい身が入ってしまうというわけ。
1日終わるとへとへとになって、もうやめようとおもうのですが・・・。
(続く)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年11月13日 (土)

「第8回和の万華鏡展 世田谷(2010)」終わりました

P1040245 P1040239 P1040243

10月26日~31日にかけて世田谷美術館で開催しました「和の万華鏡展」、作家さんたちの力作がそろい、充実した内容で展覧できました。
お天気が悪かったのが残念、毎日のように雨が降り、とどめに台風が来てしまいました。
それでも来てくださる方がたくさんいらして、本当にありがたいことです。
今回はDMでもお知らせしたように、各公募展で入賞、入選された作品が並びました。
まず皆さん、もうよくご存知と思いますが、2007年のUSA  Brewster Kaleidoscope Society コンベンションで最優秀賞を取られた中里保子さんの「秋草」、2008年、2010年と続けて日本新工芸展に万華鏡で入選された加藤瑞枝さんの「万華鏡・ROSE」「廃墟の薔薇」、そして2010年IKA国際万華鏡協会展優秀賞の清野一郎さんの「いのり」。
どれも力のこもった作品で、ご覧になった方が一様に「これが万華鏡か!」とびっくりなさるものでした。
また、とくに賞を取られてはいませんが、小嶌淳さんの「時忘れの塔」も見事なものです。
4種類の映像が見られるオブジェクトは、小島さん特有の輝きを放ち、喜多里加さんの外観もいつもながら、西洋とも東洋ともつかない不思議な雰囲気を漂わせるもので、これも万華鏡の概念を越える作品です。
今回は、「縁」というテーマを設け、その線で出してくださった作品もユニークで、心温まる素晴らしいものでした。
その紹介はまた続きで。

※もっと早く報告するつもりだったのですが、ブログのIDが分からなくなってしまってログインできず、やっと解決し書けるようになりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年12月 »