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2007年10月14日 (日)

溝口作品

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「和の万華鏡」のために作家さんたちから作品が送られてきています。
どれも素晴らしいもので、とてもうれしく思います。
わけても今回の溝口好晴さんの作品には、うならされました。
彼は「源氏物語」をテーマに万華鏡を作り続けていらっしゃいます。材質は陶、漆、木工など多岐に渡りますが、その幅広い古典の教養から生まれる発想と、多彩な技法と工夫で、様々な作品を生みだしてきました。
今回いただいたもののなかで、とくに私が感心したのが、「松風虫」と「帚木」です。

「松風虫」は虫籠の発想です。中に螺鈿で虫が描かれ、外側は竹細工。
「虫籠」というのは、古来からの貴族の趣味で、平安時代より貴族の間で虫籠にいれて、 コオロギや鈴虫の声を鑑賞する文化がありました。 江戸時代には、東海道、駿府(今の静岡市)のおみやげとして人気があり、 ひごの美しさは、虫たちの声を楽しむ繊細で優美な感性を今に伝えています。
溝口さんは静岡ご在住ですので、駿府竹細工の伝統を受け継がれたのでしょう。

「帚木」は、この鮮やかな緑は漆に使われる顔料の粉を、漆の地に貼ったものだそうです。さらに金箔を巻き「帚木」にある歌を筆で書かれました。
内部映像にはこの緑の顔料の粉(本当に細かい)をオブジェクトに利用し、見事な繊細な映像を作りました。

「和の万華鏡」を求めて、この数年作家さんにお願いしてきましたが、そのひとつの成果が今回表れたように思います。
もちろん他の作家さんの作品もそれぞれ個性的で素晴らしいものです。
ぜひたくさんの方に見ていただきたいと思います。

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2007年10月 4日 (木)

「和の万華鏡展」近づく

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「和の万華鏡展」の期日が近づいてきました。

10月18日(木)~23日(火)
午前11時~午後7時
新宿区築地町2(神楽坂) ギャラリー坂
TEL03-3269-8330
http://www.gallery-saka.com/
東西線神楽坂駅神楽坂口より3分
有楽町線江戸川橋駅4番出口より6分

「作って遊ぶ!魅惑の万華鏡」出版記念をかねているので、本で紹介した作家さんたちの作品が出品されます。

私はかねてより日本の工芸品は美意識にしろ技術にしろ、世界に冠たるものと思っていました。ですから万華鏡と関わることになったとき、日本の伝統工芸とコラボレーションさせたいと思ったのです。
もちろん、私の万華鏡へのきっかけは、陶芸家の辻輝子さんでしたから、もともと伝統工芸コラボ作品としての万華鏡だったのですが。
陶芸だけでなく、他の分野のより広い作家たちに参加してもらいたいという思いがありました。それが「和の万華鏡」の発想の元です。

しかし万華鏡というのは大変特殊なもので、日本の伝統工芸のコンセプトである「用の美」にまったくあてはまらない。まあ、何の役にも立たないわけですね。
その何の役にも立たないというところが万華鏡の良さで、それこそアートであることの証明なんだけど、私はアート、アートと声高に叫びたくないという気持ちもあるんです。
私が「万華鏡は音楽と同じ」と思う理由は、この「役に立たない」けれども「人生に必要なもの」、それだと思うのです。「人はパンのみにて生きるにあらず」なのですね。
テーマとか主張を前面に出さない、ただ美しいということだけで存在する、音の美しさを追求する音楽と同じように、万華鏡もただ色と光のコラボレーションを純粋に追求するものであってってほしいように思います。

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